明るいヘアカラーを目指す場合や、透明感のあるカラーを試してみたいと思ったとき、ブリーチが必要となることが考えられます。では、ブリーチとは具体的にどのようなものなのでしょうか。

この記事では、ヘアサロンで行うブリーチについて、メリットとデメリット、適切なケア方法などをわかりやすく解説します。

 

ブリーチの基本

ブリーチとは、髪の毛の自然な色素を取り除く施術で、わかりやすく言うと「脱色」のことです。

ブリーチ剤には過酸化水素とアンモニアが含まれ、アンモニアが髪のキューティクルを開き、髪を柔らかくして膨張させます。そして髪の内部に過酸化水素が浸透すると、髪の色素であるメラニンと化学反応を起こします。

過酸化水素は髪内部で活性酸素をつくり、活性酸素がメラニンの化学構造を変え、髪の色を薄くするのです。

特に日本人の髪の場合、元の髪色や質にもよりますが、一度のブリーチでは完全にブロンドにはなりません。サロンでは、放置時間を調整したり、数回に分けて施術したりすることで、理想の明るいブロンド色に近づけます。

 

ブリーチのメリット

ブリーチを行うと、ヘアデザインの選択肢が増え、おしゃれなヘアカラーを楽しめるメリットがあります。メリットについて、くわしく解説します。

 

カラー剤の発色が良くなる

元の自然な髪色に左右されずに、美しい発色を実現できます。

ブリーチで髪の自然な色を抜いた後にカラーを行うことで、カラー剤の色がより鮮明に表れるためです。

ハイトーンカラーや派手な髪色が可能

ブリーチを利用して髪の色素を抜くことにより、ブロンドなどのハイトーンカラーが可能になります。

2～3回のブリーチを繰り返すことで、より明るく鮮やかなカラーの発色が得られ、最新の派手な髪色トレンドにも対応できます。

 

好きなカラーを実現

難しいカラーでも、ブリーチを使うことで、より繊細なニュアンスを表現しやすくなります。

カラーリングの施術では、期待した通りの色にならないことがあります。特に、透明感のある色やカラフルな色、または淡いピンクやブルーなどのハイトーンカラーは、色がはっきり出るのが難しいです。

そのような場合に、ブリーチによって思い通りの発色を実現できるでしょう。

 

ブリーチのデメリット

ブリーチはメリットばかりでなく、髪や頭皮にに負担がかかることに気をつけなければなりません。負担が大きいため、ダメージが生じやすいことがデメリットとして挙げられます。

 

髪へのダメージリスク

ブリーチはヘアサロンで提供される中でも、髪へのダメージが特に大きい施術です。キューティクルを傷めるリスクが高く、髪の内部から栄養と水分が失われやすくなります。

ブリーチを行う前には、美容師が髪の状態を確認することが必要です。また、髪へのダメージが心配な場合には、裾カラーやインナーカラーのような部分的なカラーリングでアクセントをつけると良いでしょう。

 

頭皮への影響

ブリーチをすると、頭皮にしみたり、頭皮が剥けたりするなど、頭皮へ影響するデメリットがあります。

薬剤を調整することで頭皮へのダメージを軽減できるため、不安な場合は美容師に相談してください。

 

ヘアカラーの色落ち

ブリーチ処理を施した髪は、カラーの定着が困難になる傾向があります。その結果、理想とするカラーで仕上がっても、色落ちが速く進んでしまいます。

カラーをやや濃くする、アイロンの使用を控えるなど、色持ちを良くするための対策が必要です。

 

ブリーチ後のケアの重要性

ブリーチでは過酸化水素が髪のメラニンを酸化させることで色を変えますが、髪の主要な成分であるケラチンたんぱく質が分解され、髪へのダメージが発生します。

ヘアサロンではダメージを最小限に抑えるために注意深くブリーチを行いますが、ブリーチ後の髪のケアは非常に重要です。

自宅でのセルフケアをしっかりと行い、ダメージを抑えましょう。

 

頭皮と髪に優しいヘアケア製品の使用

アミノ酸系のシャンプーやトリートメントを使用することで、頭皮と髪へのダメージを減らすことが可能です。

また、カラーリングの持ちを向上させるシャンプーもあります。美容師に相談し、自分の髪質や現在の髪の状態に最適な製品を選んでもらうと良いでしょう。

 

アウトバストリートメントの使用

シャンプーの後に洗い流さないタイプのアウトバストリートメントを使うことで、髪に潤いと栄養を与え、ダメージ軽減の効果を得ることができます。

ブリーチで生じた髪のパサつきを和らげ、カラーの持ちを良くするためにも、ドライヤー使用前に髪に塗布するのが効果的です。

市場にはさまざまなアウトバストリートメントがありますので、適切なものを選ぶためにも美容師に相談してみてください。

 

シャンプー後の乾燥

シャンプー後は速やかに、ドライヤーでしっかりと乾燥させることが大切です。髪を濡れた状態で長時間放置すると、髪内部の水分や栄養素、カラーの成分が失われやすくなります。また、濡れた状態の頭皮は健康にも良くありません。

髪の根元から温風で乾かし、仕上げに冷風を当てることでキューティクルを閉じるのが効果的です。

 

ヘアサロンでのトリートメントの重要性

ブリーチ後の透明感があるカラーを長持ちさせるためには、自宅でのケアだけでなく、ヘアサロンでのトリートメントが非常に効果的です。

ヘアサロンでは、自宅でのトリートメントとは異なる専門的なトリートメント剤を使用し、栄養を与えて髪のダメージを修復します。

特に、アルカリ性の薬剤を使用した後の髪を弱酸性に戻す効果があるため、カラーリングとトリートメントを同時に行うことで、より効果的です。

 

まとめ

最近人気のデザインカラーも、ブリーチをすることで理想の色を実現することができます。しかし、ブリーチは髪に大きなダメージを与える可能性があるため、ヘアサロンでの美容師とのしっかりとした相談が大切です。

ブリーチを行う際は、髪のダメージを極力抑えるために、トリートメントと組み合わせて施術することや、髪に優しいシャンプーとトリートメント剤を選ぶことが大切です。

小さなことでも不安や心配に思うことがあれば、気軽に美容師に相談してください。理想のカラーで、おしゃれを楽しみましょう。